バイオリンのマメ知識
コントラバスの名曲-室内楽編
J.B. ヴァンハル:「コントラバス四重奏曲ニ長調」
ヨハン・バプティスト・ヴァンハル(1739~1813)は、協奏曲編で触れたディッタースドルフと同様に、オーストリアで活躍した作曲家です。彼も、ウィーンとその周辺のコントラバス奏者のために書かれたと言われています。バイオリン、ビオラ、チェロの伴奏で最低音域を担当するコントラバスが華々しく活躍するという趣向の作品で、非常に珍しい響きに満たされています。
G. ロッシーニ:「チェロとコントラバスのための二重奏曲ニ長調」
これは、オペラ作家ロッシーニ(1792~1868)が書いた珍しい編成の作品です。この作品が生まれた背景には、ロッシーニの交友関係があります。ロッシーニは、当代随一のコントラバス奏者と言われたドメニコ・ドラゴネッティの演奏を高く評価し、親しい友人でもありました。ドラゴネッティはロンドンで活躍していましたが、彼の有力な後援者だった銀行家でチェロを愛好したディヴィッド・サロモンズが、自分とドラゴネッティが一緒に演奏できる作品をロッシーニに依頼したのです。その結果生まれたのがこの二重奏曲で、低音域を担当する2つの楽器が絡み合う、これまた独特な響きをもつ佳品と言えるでしょう。

G.ロッシーニ(1792~1868)
楽器解体全書:バイオリンの目次
マメ知識
- バイオリンのf字孔は、昔はC字形やS字形だった
- なぜf字孔なのか
- バイオリニストは馬に頭が上がらない?
- スチール弦か、ガット弦か、それが問題だ
- あご当てはバイオリンの縁の下の力持ち?
- バイオリンのニスのほとんどは医薬品でもある
- バイオリンの名曲-独奏曲編 I
- バイオリンの名曲-独奏曲編 II
- バイオリンの名曲-独奏曲編 III
- バイオリンの名曲-協奏曲編 I
- バイオリンの名曲-協奏曲編 II
- ビオラの名曲-室内楽編
- ビオラの名曲-協奏曲編
- チェロの名曲-協奏曲編 I
- チェロの名曲-協奏曲編 II
- チェロの名曲-独奏曲編
- コントラバスの名曲-協奏曲編
- コントラバスの名曲-室内楽編
- コントラバスの活躍するオーケストラの名曲
- 弓の手で持つ部分の呼び方は?