バイオリンの選び方
弦の選び方
どんな弦を選べばいい?
いろいろなメーカー、ブランドの弦が売られていますが、一番わかりやすい違いは材質です。
弦は「コア」と呼ばれる芯に、極細の針金のようなものがくるくると巻きつけてあります。そして、芯の素材によって、「スチール弦」「ガット弦」「ナイロン弦」の大きく3つに分けられます。スチールは金属、ガットは羊の腸、ナイロンはナイロンに限らず人工的な繊維でできています。まわりに巻いてある細い線の素材はアルミやシルバーが多いですが、芯もまわりの部分も、各社さまざまな新素材を開発して使っている場合もあります。

ドミナント
それでは、弦はどう選べば良いでしょうか。これはもう、音色と弾き心地によって、好みで決めるしかありません。似たような素材の弦でもブランドによって特徴が違うので一概には言えないのですが、一般的には、スチール弦はチューニングが安定しやすく安価、ガット弦はチューニングが安定しにくくて高価ですが表現力が豊か、ナイロン弦は種類によって音質も値段もさまざま、といったところです。
参考までに、主なバイオリンの弦のブランドをいくつか紹介しておきましょう。まずは「Dominant」(ドミナント)。世界的に支持されているスタンダード中のスタンダードです。ナイロン弦ですが、ガット弦を思わせる豊かな表現力があり、プロもよく使っています。

インフェルド 赤

インフェルド 青

エヴァピラッツィ
そして、ドミナントと同じメーカーから出ている「infeld」(インフェルド)も人気があります。赤と青の2種類があり、赤は重厚な音色、青は明快な音色とされています。1つのバイオリンで弦によって赤と青を使い分けている人もいます。
上級者向けで有名なのは「Evah Pirazzi」(エヴァピラッツィ)。メーカーが独自に開発した合成素材の弦で、パワフルでソリスト向きと言われています。
楽器解体全書:バイオリンの目次
マメ知識
- バイオリンのf字孔は、昔はC字形やS字形だった
- なぜf字孔なのか
- バイオリニストは馬に頭が上がらない?
- スチール弦か、ガット弦か、それが問題だ
- あご当てはバイオリンの縁の下の力持ち?
- バイオリンのニスのほとんどは医薬品でもある
- バイオリンの名曲-独奏曲編 I
- バイオリンの名曲-独奏曲編 II
- バイオリンの名曲-独奏曲編 III
- バイオリンの名曲-協奏曲編 I
- バイオリンの名曲-協奏曲編 II
- ビオラの名曲-室内楽編
- ビオラの名曲-協奏曲編
- チェロの名曲-協奏曲編 I
- チェロの名曲-協奏曲編 II
- チェロの名曲-独奏曲編
- コントラバスの名曲-協奏曲編
- コントラバスの名曲-室内楽編
- コントラバスの活躍するオーケストラの名曲
- 弓の手で持つ部分の呼び方は?