バイオリンのマメ知識
バイオリンの名曲-独奏曲編 I

ピアノが楽器の王様だとするとバイオリンは楽器の女王。人間の声に匹敵するほど魅力的といわれる音色が作曲家の創作意欲を刺激して、数多くの名曲が生み出されてきました。ここでは独奏曲の中から代表的な名曲を紹介しましょう。

同じJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲がチェリストのバイブルと言われるように、バイオリニストのバイブルともいうべき作品。バイオリン音楽の金字塔「シャコンヌ」を終曲に持つパルティータ第2番ニ短調(BWV1004)は特に有名です。

無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ

バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ

ベートーヴェンは10曲のバイオリンソナタを残していますが、中でも名曲として知られているのがこの「クロイツェルソナタ」です。ベートーヴェン時代の大バイオリニスト、ロドルフ・クロイツェルに捧げられたことから、この愛称で呼ばれています。後にロシアの文豪トルストイがこの曲に刺激を受け「クロイツェルソナタ」という小説を書いたことでも有名です。

バッハの無伴奏とともに、現代のバイオリニストのバイブルになっているのがこの「カプリース」。24曲からなるこの曲集には、バイオリン演奏のあらゆるテクニックが織り込まれ、芸術的にも優れた作品になっています。また、この曲をもとにシューマンやリストがピアノ用の練習曲を作っています。