バイオリンのマメ知識
バイオリンの名曲-独奏曲編 II

フランクが残した最高傑作というよりも、バイオリンソナタの最高傑作の一つ。大バイオリニスト、イザイの結婚祝いに献呈されたこの曲は、バイオリンの美点を余すところなく表現しているところから、ベートーヴェンの「クロイツェルソナタ」とともに、バイオリニストが最も好んで演奏する曲でもあります。

ブラームスはバイオリンソナタを3曲残していますが、いずれも傑作として知られています。中でもこの第1番と第3番ニ短調作品108は名曲で、演奏される機会も多い作品です。第1番は「雨の歌」と呼ばれ、この曲の第3楽章冒頭の主題に、ブラームス自身の歌曲「雨の歌」作品59-3が使われていることに由来しています。この曲の私的な初演は、古い友人の大バイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムが行い、シューマンの未亡人でブラームスが思いを寄せていたクララ・シューマンが立ち会ったといわれています。

ブラームス

ブラームス

サラサーテは19世紀に活躍した名バイオリニストの中でも傑出したバイオリニストでした。そのため多くの作曲家が曲を献呈していますが、サラサーテ自身もバイオリンを知り尽くした名曲を残しました。その中でも有名なのがこの「ツィゴイネルワイゼン」です。サラサーテ自身が録音したこの曲のレコードに謎のささやき声があることを題材に、が「サラサーテの盤」という短編小説を書いていることでも有名です。

19世紀後半の大バイオリニスト、パブロ・サラサーテ

19世紀後半の大バイオリニスト、パブロ・サラサーテ