バイオリンの成り立ち
現代のバイオリン

クレモナのバイオリンがたいへん優れているといっても、名器といわれる楽器はとても高価で、一般の人が気軽に手にできるようなものではありません。しかし現代のテクノロジーによって、かなり近いイメージの楽器が無理なく求められるようになりました。 ヤマハでは、アントニオ・ストラディヴァリとグァルネリ・デル・ジェスのバイオリンを、最新のテクノロジーを駆使して徹底的に分析し、そのデータを基に、人の手による仕上げ加工を施すというテクノロジーと職人技の融合によって、安価で高品質なバイオリンの製作を実現しました。それが、アルティーダのSタイプとGタイプです。
この二つを見比べると、Sタイプのボディは怒り肩、f字孔はボディのラインとほぼ平行で右の方が少しだけ長く、Gはなで肩で、f字孔は垂れ目になっています。そして音色にも、それぞれの特徴が表れているのです。

アルティーダのSタイプ(左)とGタイプ(右)

アルティーダのSタイプ(左)とGタイプ(右)

弓のスティックに好まれる木に、南米アマゾンのフェルナンブーコがあります。元は染料用の木でドイツによく輸出されていましたが、非常に硬いので弓に使われるようになったといわれています。しかし近年、資源が枯渇してきました。植林もしていますが成長には30年以上の時間がかかるのです。
写真のカーボン弓は、木の替わりにカーボン素材を用いたもの。地球環境を守り育てつつ、音楽の芽を絶やさないために開発されたもので、吸い付きの良い、耐久性に優れた弓です。

カーボン弓

カーボン弓