バイオリンのマメ知識
バイオリニストは馬に頭が上がらない?

バイオリンやチェロの弓に張られているのは馬の尾で、1本の弓あたり約150本の毛が張られています。馬の尾は目には見えないほどの小さなコブコブがついているので、それが摩擦効果を高めて、バイオリン属特有のすすり泣くような妙なる音色を生み出すのだとか。中でも人気があって、音にも良いと言われているのは、モンゴル産の白馬の尾。

けれども、これはモンゴルで飼育されている馬の数が豊富で、しかも背が低い割に尾がふさふさとたくさんあるので、供給源としてふさわしいという以外には、あまり意味はなさそうです。でも、バイオリンの良い音のために尻尾の毛を抜かれちゃうなんて、ちょっぴり馬がかわいそう。誰ですか、それで自分がバイオリンを弾くと、馬のいななくような音がするのか…なんて言っている人は?
(参考資料:黒沢隆朝著「図解世界楽器大事典」1984年、雄山閣/藤沼朝保編「楽器が語る音楽の現場」1973年、ラジオ技術社 ほか)

弓