バイオリンのしくみ
[実験2]釣り糸やゴムを弓毛に使ってみる
音の実験をしてみました
弓毛に、馬のしっぽではなく、さまざまな素材を使って実験してみました。
実験の手順
- 弓身用に角材を5本用意する
- 木綿糸、釣り糸、ワイヤー、1センチ幅のゴム、粘着テープを角材に張る
- 木綿糸、釣り糸、ワイヤーに松脂を塗り、バイオリンを弾く

実験の結果
木綿糸の場合
釣り糸の場合
粘着テープの場合
※ 実験による録音のため正しい音程と異なっております。
それぞれの素材を平らになるように接着して角材にピンと張るのはとても難しい作業でした。木綿糸は、張るだけではまったく音が出ませんでしたが、松脂を塗ると、細く小さい音が出ました。釣り糸(てぐす)は、真っ白になるほど松脂を塗ると、予想外の良い音で驚かされます。ゴムは、蓄音機のような、ほのぼのとした印象の音。ワイヤーは意外にまともな音を出します。粘着テープは、粘着面にホコリを付け、弦にこびりつかないようにして試しましたが、バイオリンが壊れているのかと思わせるような音で、即座に中止しました。
ゴムの場合は、弦に引っ掛かって噛んで離れて、という周期が長いので、音がプップップッと切れて聞こえます。通常の弓毛はこの周期が短いので、音がなめらかに連続して聞こえるのです。弓毛にはある程度の凹凸や耐久性が必要で、馬のしっぽの毛はその条件をクリアしているわけです。
楽器解体全書:バイオリンの目次
マメ知識
- バイオリンのf字孔は、昔はC字形やS字形だった
- なぜf字孔なのか
- バイオリニストは馬に頭が上がらない?
- スチール弦か、ガット弦か、それが問題だ
- あご当てはバイオリンの縁の下の力持ち?
- バイオリンのニスのほとんどは医薬品でもある
- バイオリンの名曲-独奏曲編 I
- バイオリンの名曲-独奏曲編 II
- バイオリンの名曲-独奏曲編 III
- バイオリンの名曲-協奏曲編 I
- バイオリンの名曲-協奏曲編 II
- ビオラの名曲-室内楽編
- ビオラの名曲-協奏曲編
- チェロの名曲-協奏曲編 I
- チェロの名曲-協奏曲編 II
- チェロの名曲-独奏曲編
- コントラバスの名曲-協奏曲編
- コントラバスの名曲-室内楽編
- コントラバスの活躍するオーケストラの名曲
- 弓の手で持つ部分の呼び方は?