バイオリンのマメ知識
バイオリンのf字孔は、昔はC字形やS字形だった
バイオリンの胴の中ほどに左右対称にあいているf字形の孔はf字孔とよばれ、胴の共鳴によって起こる胴内の空気振動を外気に伝えて、豊かな音として響かせる働きをしています。バイオリンより古いビオラ・ダ・ガンバ属の楽器では主にC字形の孔があけられていましたが、バイオリン属が現れた16世紀以後も半月形や火炎形、S字形などさまざまな意匠のものが造られました。
現在のf字形に次第に統一されるようになったのは、バイオリン属がほぼ完成する18世紀の初め頃から。当時の製作者が胴に駒を立てる位置を示すために、S字形にくりぬいた孔の中央部にたまたま刻み目をつけたのが、f字孔の始まりといわれています。
(参考資料:黒沢隆朝「世界楽器大事典」雄山閣刊)

楽器解体全書:バイオリンの目次
マメ知識
- バイオリンのf字孔は、昔はC字形やS字形だった
- なぜf字孔なのか
- バイオリニストは馬に頭が上がらない?
- スチール弦か、ガット弦か、それが問題だ
- あご当てはバイオリンの縁の下の力持ち?
- バイオリンのニスのほとんどは医薬品でもある
- バイオリンの名曲-独奏曲編 I
- バイオリンの名曲-独奏曲編 II
- バイオリンの名曲-独奏曲編 III
- バイオリンの名曲-協奏曲編 I
- バイオリンの名曲-協奏曲編 II
- ビオラの名曲-室内楽編
- ビオラの名曲-協奏曲編
- チェロの名曲-協奏曲編 I
- チェロの名曲-協奏曲編 II
- チェロの名曲-独奏曲編
- コントラバスの名曲-協奏曲編
- コントラバスの名曲-室内楽編
- コントラバスの活躍するオーケストラの名曲
- 弓の手で持つ部分の呼び方は?