バイオリンのお手入れ
日常のお手入れ

バイオリンのニスはとても繊細なもの。ギターもそうですが、アコースティック楽器にとって、塗装は音色を大きく左右する重要な要素なのです。ですから、ニスを良い状態で保つためにも、楽器を演奏したら、必ず拭くこと! これが鉄則です。専用のクロスや鹿のセーム革などをお使いください。
できれば弦用のクロスも1枚用意して、弦と指板もしっかり拭くといいですね。弦に松脂がべっとりついていると音が悪くなりノイズの原因になりますし、指板は手の脂がついて汚れやすい部分ですので。基本はから拭きですが、表板に松脂などがべったりついて汚れがひどい時は、専門家にご相談ください。

演奏したら必ず拭く

演奏したら必ず拭く

それから、演奏が終わって楽器を拭いたあとは、必ずケースにしまってください。バイオリンは、エアコンの風があたっただけでも、しばらくするとパキパキ音がすることがあるぐらい繊細な楽器です。バイオリンには湿度50%が最適。これにできるだけ近い状態で保管するためにも、すぐにケースにしまうクセをつけましょう。

バイオリンは温度や湿度の変化に敏感で、湿度の高い状態が続くと、表板や裏板が膨張した結果、バイオリンボディの厚みが変化して魂柱が倒れることがあります。逆に乾燥が続くと、指板が外れる場合もあります。保管時には、できるだけ温度、湿度が安定したところを選ぶようにしましょう。保管に適した場所は、自分自身がその場にいて、風邪を引いたり不快になったりしないような環境であることが目安となります。
また、バイオリンの形状は曲線が多いので、そのまま置くのは不安定で危険です。さらに、バイオリンのニスは、直射日光を嫌います。ですから、保管する場合は、必ずケースに入れて、安全な場所に置きましょう。

ヤマハ 弦楽器ポリッシュ

ヤマハ「弦楽器ポリッシュ」。初心者でも安心して使える

弦楽器の日頃のお手入れといえば、演奏した後、弦楽器専用クロスなどでからぶきをするのが基本。普段はこれだけでOKなのですが、ずっと使っているうちにどうしても駒の周辺に松脂がこびりついたり、指板など手で触るところや、あごがあたるところなど、直接、人の肌が触れるところが脂や手あかで汚れてきたりします。そうした汚れが目立ってきたら、クリーナーを使ってきれいにしてみましょう。汚れが落ちるだけでなく、ニスの輝きもよみがえります。

クリーナーはいろいろな種類のものが市販されていますが、主な違いは研磨成分とその量です。簡単に言えば、研磨剤が入っていないものは汚れを落とす力はそれほど強くありませんが、楽器に優しいのが特徴です。一方、研磨剤が入っているものは汚れをよく落としますが、楽器を傷める可能性も高くなります。

そんな中で初心者の方からプロの方まで幅広くお使いいただいているのが、ヤマハの「弦楽器ポリッシュ」です。研磨成分は入っていませんので、どんな楽器にも安心して使えます。ほかに研磨剤が入っているタイプでは、たとえば「Hill & Sons」(ヒル&サンズ)というイギリスのものや、「Millant」(ミラン)というフランスのものが有名です。

いずれのクリーナーも基本的な使い方は同じです。クロスを2枚用意し、1つのクロスに少量のクリーナーをつけて楽器をさっと拭いて汚れを落とし、もう1枚のクロスでからぶきして仕上げます。この時、同じクロスを使ってしまうと、一度落とした汚れが再び楽器につきかねないので必ず2枚を用意してください。また、研磨剤が入っているタイプのものは、びんをよく振ってからクロスにとり、拭くときは強くこすらないように注意すること。なお、研磨剤入りのクリーナーを使うとどうしてもニスが微量に削られてしまうことがありますから、古い楽器には使わない方が良いと思います。そのほか、どうしても落ちにくい汚れがついた場合などは無理にご自分で落とそうとせずに、専門家に相談してください。

クリーナーとクロス

いずれのクリーナーも使い方は同じ。弦楽器専用クロスを2枚用意し、1枚のクロスに少量つけて汚れを拭き取り、もう1枚のクロスでからぶきして仕上げる