オーボエのマメ知識
絶滅の危機を乗り越えたウィンナーオーボエ

現在、世界で吹いている演奏家や学生はわずか200人ほどといわれるウィンナーオーボエ。ウィーン近郊の奏者がその音色を受け継いでいますが、実は地元の楽器メーカーに後継者が育たず、1970年ごろ絶滅の危機にさらされたことがあるのです。奏者はいても楽器をつくれる人がいなくなっては困ります。そこでヤマハが要請を受けて、研究開発を始めました。最初はボロボロに使い込んだ楽器をコピーすることからスタートしたのですが、まったく同じにつくるだけでは元の楽器を越えられません。試行錯誤を重ね、プロの世界で通用するモデルが完成し、現地からは金管楽器を含めた功績を讃える感謝状まで贈られました。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートでも活躍しますので、ぜひ注目してみてください。

主張のある音色が魅力のウィンナーオーボエ

主張のある音色が魅力のウィンナーオーボエ