オーボエの成り立ち
オーボエの仲間

オーボエはC管(つぇーかん)、つまりハ長調の楽器。それより低いA管(あーかん)でイ長調のオーボエダモーレ、さらに低いF管(えふかん)でヘ長調のコールアングレ(イングリッシュホルンともいう)などがオーボエの仲間です。
オーボエダモーレやコールアングレは、オーボエと違い、ベルが卵型をしています。その卵形から独特のこもった音が生まれると思われがちですが、音色に関しては、管の内側が広がり具合の異なる円すいである点がより大きく関係しています。

オーボエ類 音域表

オーボエ類 音域表

オーボエファミリーの楽器の音を聴き比べてみましょう。
コールアングレで吹いているのはドヴォルザーク作曲の交響曲「新世界より」第2楽章から有名な「家路」のメロディ、オーボエダモーレはラヴェル作曲の「ボレロ」から、オーボエはJ.S.バッハ作曲の「主よ、人の望みの喜びよ」です。

コールアングレの音

コールアングレの音

オーボエダモーレの音

オーボエダモーレの音

オーボエの音

オーボエの音

オーボエ属にはもっと音の低いバスオーボエもあるにはありますが、この楽器に出会える機会は多くありません。国内に数十本しかなく、世界でもおそらく年に数本つくられている程度なのです。
ではなぜバスオーボエがつくられ続けているのかというと、ホルストの組曲「惑星」にバスオーボエが必要だから。実質的に、その一曲のために存在しているとさえいえそうな楽器なのです。