オーボエの選び方
オーボエ選びのポイントは?

オーボエには、ドイツ式とフランス式の、2つのタイプがあります。
ドイツ式は、19世紀には主流でしたが、現在は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団など、ウィーンの奏者のみが使用している特別なオーボエ。そのためウィンナーオ-ボエと呼ばれます。やや鼻にかかったような、明るく華やかな音色が特徴です。18世紀の3鍵式バロックオーボエの直接進化形で、指使いはリコーダーに少し似ています。
現在、オーボエのメカニズムの主流になっているのがフランス式。19世紀に新しく開発され、その後パリ音楽院(コンセルヴァトワール・ド・パリ)で採用されたので、コンセルヴァトワール式と呼ばれるようになりました。大きな音量と、速い曲も演奏できるキイシステムが現代の要求に合致しているため普及しました。
ウィンナーオーボエは、現在では、特殊な楽器ともいえます。初心者の場合は、ウィーンの音色にこだわりを持つ人でも、まずコンセルヴァトワール式から始めるのが一般的といえるでしょう。

ウィンナーオーボエ(左)とコンセルヴァトワール式のオーボエ(右)

ウィンナーオーボエ(左)とコンセルヴァトワール式のオーボエ(右)

オーボエには、オクターブキイの操作の違いによって、セミオートマティックとフルオートマティックの2つのシステムがあります。それぞれに一長一短がありますので、どちらを選ぶかは好み次第といえますが、初心者にはセミオートマティックがおすすめです。

システム名 特色
セミオートマティックシステム 第1、第2オクターブキイを操作する必要があるが、替え指の柔軟性が高く、全世界で広く使用されている。
フルオートマティックシステム 第2オクターブ・レバーがなく、操作は容易だが、構造が複雑なため、調整がむずかしく狂いやすい。重量も吹奏感も重め。

セミオートマティックシステム

セミオートマティックシステム

フルオートマティックシステム

フルオートマティックシステム

オーボエには黒い管体のイメージがあります。黒いオーボエの素材は、クラリネットでも使っているグラナディラという木材です。比重が1.2あるいは1.3という重さに特徴があるグラナディラでつくったオーボエは、音が遠くに飛ぶという長所があります。広いコンサートホールに向いているといえるでしょう。
また、ローズウッドという、茶色の木材が管体に使われることもあります。ローズウッドはやわらかい音で、ほかの管楽器や弦楽器ともよく調和し、グラナディラほど遠くには届かないけれどまとまりのよい音を響かせます。室内楽向きの楽器といえるでしょう。

キング・ローズウッド素材のオーボエ

キング・ローズウッド素材のオーボエ