オーボエの吹き方
最も気を使うのはリードのこと

プロのオーボエ奏者は、たいてい、自分でリードをつくっています。市販の完成リードもありますが、それが自分の好みの厚みや形であるとは限りません。アマチュアの奏者でも、基本的には、自分でつくるものと考えたほうがよいでしょう。
オーボエのリードは、一生懸命つくっても、使える時間は10分から1週間。なかには全然使えないリードもあります。したがって、計画的に、こまめにつくり置きをしておくことが必要です。

リードの材料は、葦の一種であるケーンという植物です。これを図のように縦に割り、内側を削ります。特に大事なのは先端部分です。ここは演奏中もっとも振動するところなので、絶対手でさわってはいけません。

リードができるまで

  1. 直径約10ミリのケーンを縦3つに割る
  2. 丸い専用鉋(かんな)で内側を削り、表層から0.6ミリの厚みになるまで落とす
  3. 半分に折る
  4. カッターで舟形に整える
  5. ケーンをチューブに糸で巻きつけ固定し、先をチョキンと切る
  6. 先端部が薄くなるように表層を削りとる(切削部の厚み分布はスタイルにより異なる)

リードができるまで

オーボエのリードは、演奏する前に水につけておいて、適度な湿り気を持たせます。つける時間は、ぬるま湯に2~3分がおおよその目安。10分以上水につけっぱなしの人を見かけることがありますが、これはケーンの良い成分が水に溶け出してしまってリードの寿命が短くなるのでおすすめできません。

長期間使っていなかったリードや、素材のケーンが細すぎるリードなど、大きく開いてしまうことがあります。その場合は、割れないようによく湿らせてから、指で潰して落ち着かせてください。針金を巻いて開きを調節する方法もあります。
開きが大きいリードを無理に噛んで吹くと、唇が歯で切れたり、筋肉に支障が出たり、上達のさまたげになったりするので、なるべく避けるようにしましょう。

小さい羽はリードを清潔に保つには便利ですが、リードを傷める場合もあるので賛否両論があります。羽の繊維がリード先端に食い込んで割れてしまう危険があるので、出し入れするような動かし方はしないでください。なるべく羽の先端がリードから出ない位置で回転させるとよいでしょう。小羽は濡らしておくか、水入れの中で掃除をするとよく汚れが取れます。