オーボエのできるまで
組立て、そして調整

オーボエは、音孔が小さい分、タンポも小さいものになります。オーボエのタンポの素材は2種類。クラリネットと同じ腸皮を用いたものと、天然コルクがあります。これを箇所によって使い分けているわけです。

2素材あるオーボエのタンポ

2素材あるオーボエのタンポ

タンポ部分の断面図

タンポ部分の断面図

タンポの調整にはシェラックという接着剤を使います。シェラックには黒色と白色があるのですが、オーボエでは伝統的に白色を使っています。黒色のより流動性があって動かしやすいので、タンポを音孔の表面とぴったり平行になるよう微調整するのに適しているからです。

接着剤は白いシェラック

最後は組立・調整工程。キイポストを埋め込んで、芯金を取りつけた管体にキイ部品を組み込み、タンポをはめていきます。その後、調節ネジでキイ同士の動作を整えて完成です。
オーボエはパーツが多く、しかも複雑に関係し合っているので、1本を組み立てて調整するには数日を要します。たいへん細かく、神経を使う作業です。

神経を使う組立て・調整作業