トロンボーンのマメ知識
基音と譜面の表記のズレの理由は?

トロンボーンは基音がB♭なのに、トランペットなどとは違い譜面は通常Cになります。これは成り立ちに関わっていると考えられます。
多くの金管楽器は、19世紀初頭にバルブが発明されるまでは、自然倍音を中心とした演奏でした。そのため、音楽の調に合せて楽器を持ち替えたり、替え管(長さの違う抜差管)を使用して楽器の調を替えたりしていたので、移調譜が実用的でした。その結果、この譜面が普及したと思われます。
しかし、トロンボーンは15世紀頃から半音階を演奏できたため、早くから一般的な実音表記が定着したのです。
ちなみに、オーケストラではトランペットでも「in B♭表記」以外を用いることがあります。また、英国ではトロンボーンにも「in B♭表記」の楽譜があります。