トロンボーンのマメ知識
トロンボーンが活躍するオーケストラ名曲

古典派時代には宗教音楽でトロンボーンが使用されることが多くありました。モーツァルトの「レクイエム」KV.626における「トゥーバ・ミルム」は、最初に印象的なトロンボーンのソロが現れます。ここでは、最後の審判の始まりを告げるラッパの響きを描写するために、トロンボーンが使用されたものと思われます。
19世紀になって、オーケストラでのトロンボーンの使用が一般的になってくると、トロンボーンがオーケストラ全体の響きに影響を与えるようになっていきます。トロンボーンを含む金管楽器を数多く要求したブルックナーの交響曲などを聴くと、トロンボーンの合奏が時には豊麗な響きを、時には厳かな響きを醸し出していることがわかります。マーラーの交響曲第3番第1楽章では、トロンボーンが印象的な旋律を吹奏する個所が現れますが、オーケストラのなかでトロンボーンがソロ担当楽器として認められた証拠といえるでしょう。
オーケストラで使われる楽器が次々とソロを披露していく、ラヴェルの「ボレロ」でも、トロンボーンのソロを聴くことができます。

アントン・ブルックナー

アントン・ブルックナー(1824~1896)