トロンボーンの選び方
材質から選ぶ

管楽器の音色は、管によって形づくられる空気柱の振動のあり方(波形)によって決まるので、単に楽器の形状や管の長さだけでなく、振動する管の材質によっても音色が微妙に異なります。
トロンボーンなど、金管楽器の管体には古くから真ちゅう(ブラス)が用いられています。真ちゅうは銅と亜鉛の合金で、加工がしやすく、耐蝕性が鉄などより優れています。また、見た目の美しさも真ちゅうの長所のひとつ。そこから生まれる音が、金管楽器のイメージを形づくってきたのです。
金管楽器は、ベルに用いる真ちゅうの種類(銅と亜鉛の比率による違い)によって、音色のバラエティを生み出しています。

ベル材料と音色

イエローブラス 明るく、張りのある音色
ゴールドブラス 幅のある豊かな音色
イエローブラスとゴールドブラスそれぞれの、銅と亜鉛の比率

イエローブラスとゴールドブラスそれぞれの、銅と亜鉛の比率

楽器作りの過程で、加工の済んだ金属管はヤスリやサンドペーパーで表面をなめらかにし、その後、研磨剤を塗ったバフ(布)を高速回転させて磨き、美しい金属光沢を出します。そして最後に、ラッカー塗装かメッキをほどこして仕上げます。この最後の仕上げは、さびや汚れから守るのがおもな目的なのですが、じつは音色にも微妙な影響があるのです。

表面仕上げと音色

ゴールドラッカー
(金色の塗料を混ぜラッカーを塗装)
シャープでパワフルな音
クリアラッカー
(透明なラッカーを塗装)
ソリッドで暗めの音。フォルテの音抜けが良いと感じられる。

金管マウスピースの素材は真ちゅうで、その上にメッキをかけたものが一般的です。ヤマハのトロンボーンマウスピースも素材は真ちゅうで、メッキをかけています。銀色のマウスピースには銀メッキがかかっており、ヤマハではスタンダードタイプとして、多くのモデルの中からお選びいただけます。金色のマウスピースは金メッキがかかっており、唇への感触が非常に滑らかなことが特徴で、ヤマハではカスタムモデルとして販売しています。
また、トロンボーンのマウスピースには、スモールシャンクとラージシャンクの2種類がありますので、よく確かめてから選んでください。