トロンボーンのマメ知識
トロンボーンは軍楽隊の悩みのタネ?

トロンボーンは12~13世紀頃まではまっすぐな形をしていましたが、あるとき無名の職人が長すぎる管を折り曲げ、さらにU字型のスライド管を取り付けることを考え出しました。それでもトロンボーンはやっぱり管が長すぎるのが悩みのたね。19世紀には騎馬軍楽隊のために、スライド管のかわりにバルブを取り付けた「短いトロンボーン」も考案されました。スライド式トロンボーンでは馬の背の上でバランスをとりながら演奏するのがむずかしく、落馬する軍楽士が相次いだからです。現代のマーチングバンドの行進ではたいていトロンボーンが一番前を行進しますが、これも長いスライド管が前の人にぶつからないようにするためです。
(参考資料:アラン・シップトン著・入江礼子訳「図解音楽の世界3 金管楽器」1994年 偕成社刊)