トロンボーンのできるまで
スライド管は限りなくまっすぐに!

トロンボーンのスライド管は、約70センチもまっすぐで、厚みも0.25ミリそこそこの薄い管です。外管と中管のすき間は半径で約0.1ミリ。ですから、管がなめらかにスライドするためには、外管と中管の合計4本のパイプが、完全にまっすぐに、平行になっていないといけません。70センチの管の端と端で0.2ミリ曲がっていたら、使い物にならないのです。

精密な管をつくる作業を管引き(かんびき)といいます。写真に写っているのは中管をつくっているところ。銀色に光っているのが中管です。
トロンボーンでは、外管に金色の真ちゅうという銅と亜鉛の合金を使い、中管には真ちゅうにニッケルを加えた洋白という金属を用いることが行われています。

まっすぐな管をつくる超精密管引き機

まっすぐな管をつくる超精密管引き機

超精密な機械でつくられたスライド管も、最後には職人の目による確認作業が行われます。定盤(じょうばん)という器具を使いながら、パイプがまっすぐか、そして平行かどうかをチェックされるのです。
そして、もしゆがんでいたら、職人の手で、微妙に力を加えて直します。これは熟練した職人でなければできない作業です。

外管が平行か確認しているところ

外管が平行か確認しているところ

中管がまっすぐか確認しているところ

中管がまっすぐか確認しているところ

スライドがなめらかに動くか確認しているところ

スライドがなめらかに動くか確認しているところ