トロンボーンのお手入れ
毎日のお手入れは?

スライドの準備

  1. 1.まずスライド中管の汚れを取り、先端のストッキングの部分(少し太い所)にスライドクリーム(またはスライドオイル)を適量塗ります(スライドグリスは使用しないでください)。

    (上)トロンボーンスライドオイル(下)スライドクリーム

    (上)トロンボーンスライドオイル(下)スライドクリーム

    スライド中管の汚れを取る

    スライド中管の汚れを取る

  2. 2.スライドクリームを塗ったあと、ウォータースプレーで十分水分を吹きつけます。 スライドオイルの場合は吹きつけるだけでOKです。ウォータースプレーに入れる水は、水道水でも問題はありませんが、できればミネラルウォーターなど、カルキが入っていないものがよいでしょう。

    スライドクリームを塗ったあと、ウォータースプレーで十分水分を吹きつけます。
    ウォータースプレー(上=L、下=S)

    ウォータースプレー(上=L、下=S)

  3. 3.スライド外管と中管をセットし、何回かスライドさせて、クリームを十分に伸ばしましょう。
    演奏中にも動きが悪くなった時にはウォータースプレーで水分を吹きつけてください。小さなサイズのウォータースプレーをポケットに入れておけば、演奏の合間でもさっと水を吹きかけることができて便利です。

    スライド外管と中管をセットし、何回かスライドさせて、クリームを十分に伸ばしましょう。

ローターへの注油(テナーバストロンボーン、バストロンボーン)

テナーバストロンボーン、バストロンボーンは、スライドレシーバー側からローターへ、ローターオイルを注油してください。

スライドクリームとスライドオイルの使い分け

スライドクリームとスライドオイルは、どちらもスライドを滑りやすくするためにつくられているので、好みに応じて使い分けてください。楽器の状態や塗布量によっても操作感が変わるので、自分に合うものと、塗布量を見つけてください。ヤマハのスライドオイルには防錆剤を添加してありますので、スライド内面のさびを防止する面でも、効果的です。

スライドクリームを塗る量

大まかな目安としては、クリームを透かしてスライドが見える程度の量が適量です。

アドバイス

吹き始めて10~15分程度でスライドが滑らなくなる場合は、一度楽器店でスライドをみてもらうとよいでしょう。
スライドが汚れているとうまくスライドオイルがなじまないので、スライドオイルをつける前には、中管の外面と外管の内面の汚れと水分をしっかりふき取ってください。この際、スライドに無理な力がかからないよう、注意してください。

スライドの掃除

  1. 1.ウォーターキイから、管体内の水分を抜きます。

    ウォーターキイから、管体内の水分を抜きます。
  2. 2.クリーニングロッドに金属部が露出しないようにポリシングガーゼを手元まで巻付け、スライドの外管と中管の内側を掃除します。クリーニングロッドを抜くとき、ガーゼが管内に残らないように注意しましょう。クリーニングロッドとガーゼの両方を握って抜いてください。このとき必ずスライド支柱を一緒に持つようにしてください。

    クリーニングロッドに金属部が露出しないようにポリシングガーゼを手元まで巻付け、スライドの外管と中管の内側を掃除します。
    クリーニングロッドにガーゼを巻きつけて、ゆっくり回しながら外管の中に入れて掃除する。

    クリーニングロッドにガーゼを巻きつけて、ゆっくり回しながら外管の中に入れて掃除する。

表面のお手入れ

トロンボーンの主管やF管の銀色の部分の表面処理(仕上げ)は他の部分と同じラッカー塗装です。色が違うのはもともと使用している材料が違うからで、表面の仕上げは全面同じです。楽器の表面のお手入れは、ポリシングクロスで軽く拭くか、ラッカーポリッシュで磨いてください。
また、ニッケルメッキの楽器の汚れを落とす場合や、ラッカーがはがれて表面がさびた状態の楽器には、研磨剤であるメタルポリッシュを使用します。これにより金属の光沢が復活します。

メッキがはがれたら

塗装(またはメッキ)がはがれると、金属の地肌表面に緑青(緑色のさび)が発生することがあります。メタルポリッシュで磨けば取れることもありますが、さびの発生個所が演奏時に常に触れる場所である場合は、楽器店で再塗装(または再メッキ)したほうがよいでしょう。