サクソフォンのマメ知識
サクソフォンの名曲-協奏曲編

サクソフォン曲のバイブルともいうべき名曲中の名曲。この曲はドイツ生まれのサクソフォン奏者ラッシャーの依頼で作曲されましたが、イベールが「サクソフォンの神様」マルセル・ミュールに試奏してもらいアドヴァイスを受けました。実質的にはミュールが初演しているといってもいいでしょう。録音もミュールの素晴らしい演奏が残っています。11の楽器とはフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、ヴァイオリン2、ビオラ、チェロ、コントラバスです。

ジャック・イベール(1890~1962)

ジャック・イベール(1890~1962)

現代日本の曲を一曲。日本が生んだ世界的なサクソフォニスト須川展也の委嘱によって、吉松隆が1994年に作曲しました。サクソフォンとピアノとパーカッションが独奏楽器として扱われているいわば3重協奏曲で、タイトルの「サイバーバード」とは電脳空間にいる架空の鳥のことです。曲は3楽章からなり、順番に「彩の鳥」(アレグロ)「悲の鳥」(アンダンテ)「風の鳥」(プレスト)という表題が付いています。吉松隆特有の現代的な叙情性を持った名作です。須川はこの曲を2度レコーディングしており、国際的にも高く評価されています。

須川展也(1961~) © Wataru Sato

須川展也(1961~)
© Wataru Sato