サクソフォンのしくみ
ジャズ向きとクラシック向き

サクソフォンは、ジャズでもクラシックでも愛用されている楽器ですが、それぞれのジャンルで求められる楽器の持ち味には、少し違いがあります。
ジャズでは、自分の気持ちそのもので吹けて個性が出せるので、テーパーが強い(広がる角度が大きい)サクソフォンが好まれます。吹いている時の「ジャーッ」という雑音や音のかすれも味になるようです。
一方クラシックでは、オーケストラで他の多くの楽器と一緒に演奏しますから、音のまとまりがよく、音がきちんとコントロールできる楽器がよいといえるでしょう。音程を正確に取るにはテーパーがゆるやかな方が適していて、クラリネットの直管に近い円すい管になります。

ジャズ向きのYAS-82Zはテーパーが強い(広がる角度が大きい)

ジャズ向きのYAS-82Zはテーパーが強い(広がる角度が大きい)

クラシック向きのYAS-875EXは直管に近い

クラシック向きのYAS-875EXは直管に近い

マウスピースにもジャズ用とクラシック用でちがいがあります。まずはマウスピースの構造から説明しましょう。この2つの図を見てください

サウスピース断面図

サウスピース断面図

フェイシングとはリードが付く面のことです。チップオープニングの距離はマウスピースの下側のカーブによって決まります。このフェイシングの長さとチップの距離、リードの3つのコンビネーションがとても重要なのです。
そして斜線部分に注目してください。ジャズ用のマウスピースは空間が広いですね。壁を薄くして肉声を活かすのです。逆にクラシック用は空間を狭く設計します。1/1000ミリで音の印象が変わってしまうので、かなり神経を使って、じっくりと設計するのですよ。

ジャズ用、クラシック用といいましたが、実はジャズでもソプラノサクソフォンの人は、音がまとまりやすいクラシック用のマウスピースを好むことが多いようです。また、マウスピースを替えると音色が変化しますから、その時々の曲に合わせて替える人もいます。そのため、吹込管の先にはコルクが付いていて、いろんなマウスピースがはまるようになっているわけです。

吹込管の先に付いたコルク

吹込管の先に付いたコルク

マウスピースは非常に重要な部品です。とくに先端部分は薄く、割れたり欠けたりしやすいので、落とさないよう注意が必要です。とても繊細なので、微細な欠け、割れ、ヒビなどがあると音に影響が出てしまいます。