サクソフォンの成り立ち
サクソフォンの活躍

サクソフォンは金属でできていますが、発音体がシングルリードなので、金管楽器ではなく木管楽器に分類されます。とはいえもともとの発明の目的が、吹奏楽で金管と木管に分かれてしまいがちな音色を溶け合わせ、かつ木管の低音域を補強して両者のバランスをとることにあったとされるように、金管と木管の中間に位置する楽器といえるでしょう。実際、サクソフォンの音色は金管と木管のどちらとも良く溶け合い、バンドの響きを引き締め、うるおいと艶を与えるのに欠かせない存在となっています。

サクソフォンは、強弱の幅が木管楽器の中でもっとも広く、音色は人間の声に極めて近く、また自由に表現しやすい楽器なので、ソロ楽器としてジャズの歴史をリードしてきました。クラシックの世界でもフランスの作曲家を中心にレパートリーが広がり、ソロ、室内楽、オーケストラなど、幅広く活躍しています。