ホルンのマメ知識
モーツァルトはいたずら好き

「ホルン五重奏曲」や4曲のホルンの協奏曲を残したモーツァルトは、ホルン奏者のロイトゲープと大の仲良しでした。そのころは王様や貴族など偉い人に曲を献呈するのが習わしで、モーツァルトはこのロイトゲープのために曲を捧げています。しかし、その文言には「うすばかののろまで貧乏なロイトゲープさんをあわれんでこの曲を書きました」などと記され、楽譜も赤や青など4色のインクでわざと見づらく書かれていました。しかも、当時のホルンにはバルブがなくベル内の右手による調整(ハンドストッピング)だけで音階を吹いていたので通常なら右手でふさぐ音を少なくするはずなのに、敢えて右手でふさぐ音ばかりのフレーズを書いて難しくしました。モーツァルトはいたずらが大好きだったようです。