ドラムの選び方
スティックの選び方は?

自分にマッチするスティックを選ぶには、まず一番細いスティックを持って振ってみる、そして次に一番太いスティックを振ってみる、そこからだんだん細いものに持ち替えていって、振りやすい中で一番太いものを選ぶ、という方法がよいのではないでしょうか。
スティックは太ければ太いほど、音は重くて大きくなります。今使っているスティックの音にパンチがないと思ったら、すこし太いスティックに持ち替えてみるのもひとつの手。ヤマハでは標準的な太さは7Aという品番のスティックです。

スティックの先についているチップは直接ヘッドやシンバルに当たる部分ですので、音に大きく影響します。
チップには大きく分けて、丸いチップ(写真1 右端)とダイヤモンドチップ(写真2 上から1つ目と2つ目)があります。丸いチップはどんな角度でヘッドに当たっても当たる面積が同じなので、常に同じ音が出せるメリットがあります。ストロークが安定しない初心者の方は丸いチップを使うと音の粒を揃えることができます。
一方ダイヤモンドチップは、角度によってチップの接触面積が変化するので、いろいろなニュアンスが出せます。たとえばスティックの先端でシンバルを叩くと少し細めの音が出せるのです。アコースティックジャズなど、繊細で多彩な表現が要求される場合に自由度が高まります。

写真1(スティックの先)

写真1(スティックの先)

またチップの形と素材でも音は大きく変わります。
最近はプラスチック製のチップ(写真2 上から1つ目と2つ目)もあります。プラスチックは木よりも堅い素材なので、アタックが強くなり輪郭がハッキリした堅い音が出せます。ロック向きといってよいかもしれません。またスティックを逆向きに持って叩くこともあります(写真2 上から3つ目)。チップよりも大きく重い部分がドラムのヘッドに当たるため、より太く大きな音が出せます。スネアを叩く左手側だけスティックを逆に持ち太い音を出す奏法もあります。ぜひ一度試してみてください。

写真2(スティックの先)

写真2(スティックの先)

ドラムスティックは、強く握ったまま叩くのではなく、インパクトの瞬間に力を入れるのが正しい奏法。ですから演奏中、「何かの拍子にスティックがスッポ抜けて飛ばしてしまった」ということはよく起こります。ライブを観ていて、プロのドラマーでも、スティックを飛ばしているのを見かけることがあります。けれども、できれば飛ばさないに越したことはありません。

テープで巻くタイプのものだけでも数種類ある。

テープで巻くタイプのものだけでも数種類ある。

実はドラムスティックを飛ばさないために、さまざまな工夫を凝らした小道具が用意されています。ここでは2つのタイプを紹介しておきましょう。
まず最もポピュラーなのが、テニスラケットのグリップのように滑り止めテープを巻くタイプ。これは握った時の感触が自分の手にフィットするようにただ巻いていけばよいので、たいへん手軽です。

もうひとつはスティックに塗るタイプの滑り止めワックス。ジルジャンの「ドラムスティックワックス」などですが、缶入りの固形のワックスで、握る部分に塗るだけでOK。とても手軽ですが、なかなか効果的です。

ジルジャンの「ドラムスティックワックス」

ジルジャンの「ドラムスティックワックス」