ドラムのお手入れ
日常のお手入れ

ドラムのお手入れに関してはそれほど難しい点はないといえます。基本的には使ったらよく磨くということです。時に金属部分はさびが出たり、ネジがある部分は動きが悪くなったりすることがあるので、なるべくよく磨くようにしてください。ピアノケア用品で「ピアノユニコン」という艶出し剤があるのですが、これが意外と万能で金属部分もドラムの胴の部分(シェル)とか、シンバルにも使えて便利です。
ただ、シンバルは磨きすぎると音によくないという意見もあります。どの程度磨くかは、音と見た目のバランスを見ながら、ということになります。

ピアノユニコン

ピアノユニコン

「シンバルを磨く」ことについては諸説があり、磨いた方がよいという人がいれば、汚れだけを軽く取るだけでよいという人もいて、はたまた一切磨かない方がよいという意見もあり、一概にどれが正しいとはいえません。ですから実際にどのようにシンバルを磨くかは、みなさんがそれぞれで判断してください。ここでは、ドラムショップなどではどのようにシンバルをお手入れしているかということを中心に紹介しておきます。

シンバルのお手入れの基本は、新品の輝きを維持すること。シンバルは金属製ですが、素材の金属がそのまま露出しているのではなく、通常、表面に透明なコーティングが施されています。まだコーティングがある比較的新しいシンバルなら、やわらかい布などで乾拭きするだけできれいになります。軽い汚れなら、ピアノお手入れ用のクリーナー「ピアノユニコン」などを使えば簡単にピカピカになります。

比較的新しいシンバルなら、やわらかい布などで乾拭き

シンバルはスティックでガンガン叩いたり、直接手で触れたりしますので、長い間にはだんだんコーティングが取れてきます。新品の輝きが失せた頃にもう一度ピカピカにしたい、という時はシンバル専用のクリーナー「シンバルポリッシュ」でお手入れします。特に手からの汚れは、放置すると緑青やさびが生じたりして音色面でも無視できない影響を与えますので、シンバルポリッシュで汚れを落としたほうがよいでしょう。シンバルポリッシュには(1)布にとって磨くもの、(2)スプレーで吹き付けて乾拭きするもの、(3)酸が強く、磨いた後ですぐに洗い流さなければいけないものなど、さまざまなタイプがあります。いずれも金属を磨く作用が強く、使い方を誤るとシンバルを傷めてしまいますので、必ず注意書きをよく読んで、使用法を守ってご使用ください。

シンバルのお手入れで注意したいのは、音溝を削り取らないように気をつけることです。シンバルの表面には無数の溝(音溝)があり、この溝の形や深さが、シンバルの音色に大きな役割を果たしています。ポリッシュであまり磨きすぎると、その音溝が削れてツルツルになってしまい、音色が変わってしまうことがありますので要注意です。

左:布にとって塗り、拭き取るタイプ。中:スプレータイプ。右:クリーニング後、すぐに洗い流すタイプ。

左:布にとって塗り、拭き取るタイプ。
中:スプレータイプ。
右:クリーニング後、すぐに洗い流すタイプ。

それから、磨き終わったときにシンバルにポリッシュ剤が残らないように、完全に拭き取るようにしましょう。この確実にポリッシュを落とすという点が重要で、お店などではポリッシュを落とすために磨いた後でシンバルを水洗いしています。そして最後に乾いたクロスでよく水分を取ります。から拭きで拭き取るよりも効果が高いので、シンバルポリッシュを使った後には、ぜひ水洗いを試してみてください。

シンバル1枚で使うポリッシュの量はこの程度で十分

シンバル1枚で使うポリッシュの量はこの程度で十分