ドラムのお手入れ
ラグのお手入れ

ドラムのパーツの中で、小さいながらも、とても重要なラグのお手入れについて紹介しましょう。ラグは「舟形」ともいいますが、シェル(胴)についている金具で、リムとヘッドを固定し、ヘッドのテンションを調節するパーツです。

ラグには、表のヘッドと裏のヘッドを押さえるラグが一体になったハイテンションラグと、表用と裏用がそれぞれ別々についているセパレート型があります。いずれにしても、基本的な構造は同じでヘッドのテンションを調節するのが大きな役割です。
ラグはヘッドを常に高いテンションで引っ張っていますから、思ったより傷んでしまうパーツでもあります。特にスネアドラムは他のドラムよりテンションが高いので、消耗品といえるでしょう。
ラグの内部はラグナットというメスネジと締めボルトで構成されていて、ネジで噛み合っています。この2つが傷んで固着すると、ボルトが回しにくくなります。そうなるとヘッドのチューニングが正確に行えなくなったり、チューニングが不安定になったりしますので注意してください。ラグナットと締めボルトは交換パーツとして入手できます。ヘッドを張り替える際には、ラグナットが傷んでいないかよく確認し、もし傷んでいたらラグナットと締めボルトをいっしょに交換するとよいでしょう。あくまで目安としてですが、使用頻度の高いスネアであれば1年に1回ぐらいの頻度で交換するのがよいのではないでしょうか。

ラグのメスネジ部分がラグナット

ラグのメスネジ部分がラグナット

締めボルト

締めボルト

ラグナットはパーツ購入可能

ラグナットはパーツ購入可能

また、ラグは日頃マメにお手入れをしておくことで、かなり劣化を防ぐことができます。写真のように、ラグをていねいに布で拭く習慣を付けるだけで、いい状態を長い期間保つことができます。その場合、から拭きでもいいのですが、グリスアップする、つまり管楽器用のグリスをほんの少量、マッチの頭ぐらいの分量を布につけて拭くだけで、ボルトの動きがとても滑らかになります。ぜひ試してみてください。

管楽器用のスライドグリスでグリスアップ

管楽器用のスライドグリスでグリスアップ

布でていねいに拭く習慣をつける

布でていねいに拭く習慣をつける