トランペットの成り立ち
バルブの発明

初期のトランペットは長い管の先が広がっているだけのシンプルな形でした。そして、唇の動きや息の速さを変えていくつかの音を出していたのです。そのいくつかの音というのは、倍音というのですが、楽譜に書くと…

初期のトランペット

初期のトランペット

トランペットの倍音列

トランペットの倍音列

初期のトランペットでは、メロディーを演奏する時には高い倍音、上の楽譜でいうと右の方の音を使って音をつなげていました。また、ハ長調、ト長調など、調子が異なる曲を演奏する場合には、ハ長調用の楽器、ト長調用の楽器というように、長さの違う楽器をいくつも用意して吹いていました。けれどもそれでは、取扱いや持ち運びも大変。それで手軽に管の長さを変えられないかと考えて、1810年ごろに発明されたのがバルブです。

半音階は1オクターブを12の半音に分けた音階のこと

半音階は1オクターブを12の半音に分けた音階のこと

バルブとは、息の通り道を切り換える装置のこと。管の途中に別の管を増設し、その分かれ道にバルブを付けて、あっち、こっちと交通整理をするわけです。これによって、演奏しながら管の長さを手軽に変えられるようになり、おかげでトランペットは半音階も演奏できるようになったのです。