クラリネットのマメ知識
Hzとセントの単位の関係は?

ヘルツ(Hz)とセント(cent)の関係は、1ヘルツが何セントという簡単な関係ではありません。複雑なので詳しいことは省き、そのような関係になっている理由だけ説明しましょう。 人間の耳が感じる音の高さには、周波数(単位はヘルツ)の比が同じ2つの音は同じ音程の幅に聞こえるという特徴があります。たとえば、次のようになるということです。

200Hzの音に対して300Hz(200の1.5倍)の音は完全5度高く聞こえる。
300Hzの音に対して450Hz(300の1.5倍)の音も完全5度高く聞こえる。

つまり、周波数の違いは上が100Hz(300-200=100)、下が150Hz(450-300=150)とそれぞれ違うのに、2つの音の高さの差としては、どちらも完全5度(ドとソの関係)に聞こえるということです。このように、人間の耳の感覚は、足し算や引き算では表せないのです。
それを計算しやすくしたのが対数や指数という考え方で、そのときに登場するのがセントという単位です。
対数や指数の計算をすると、B♭管のクラリネットの真ん中のシ(楽譜の第三線のシ、実音a')のあたりの音域では、1Hz=約4セントとなります。a'=442Hzはa'=440Hzよりも2Hz、つまり約8セント高いということになります。
また、B♭管のクラリネットの真ん中のシよりオクターブ低い音域では1Hz=約8セントで、オクターブ高い音域では1Hz=約2セントとなります。