チューバの吹き方
チューバ奏者の心得

チューバは、体が小さい人や、肺活量が少ない人には向かないと耳にします。けれども決してそのようなことはありません。確かにクラリネットやトランペットよりは息を多く使いますが、フルートに比べたらずっと少ない方。実際、チューバ吹きには小柄な女性も多いのです。普通に肺活量があれば大丈夫、気軽にトライしてみましょう。

管体が大きいチューバを吹く場合、やはり肺活量が多いほうが有利なことは否定できません。そこで少しでも肺活量を上げるために、日頃からトレーニングを心がけるのもよいことです。水泳やジョギングなどの運動を習慣的に行えればベストですが、そこまではなかなかできないという場合は、腹式呼吸と呼ばれる深い呼吸方法を取り入れてみてはいかがでしょう。腹筋を使ってお腹の底まで息を吐き出す腹式呼吸を習慣的に行えば、肺活量が上がるばかりでなく、呼吸をコントロールする技術を高めることにもつながります。
(参考資料:「オーケストラ楽器おもしろ雑学事典」ヤマハミュージックメディア刊)

チューバは管が太いので、管に入っている空気の体積は相当なもの。そのため吹いた音の振動が長く続き、余韻が残ります。例えば"ド"から"レ"に切り替える時、"ド"の音が長く響くので、他の楽器より少し早く"ド"を打ち切って"レ"にしないと、周りと同じタイミングで"レ"が出せないのです。また、息を吹き込んでから音が出始めるまでにかかる時間も、少し長めにかかるのです。けれどもこれは、チューバを吹いている人には普通のこと。そのタイミングに慣れているチューバ奏者には、他の楽器より早く切り替えているという意識は特にないようです。

チューバは、ベルを下にして、平らで固い所に置くのが基本です。けれどもベルが少しでも凹んでいたり、置き場所がよくなかったりすると、誰かがちょっと触っただけでも倒れて大きなダメージを受けることになりかねません。ひどい場合は音が鳴らなくなることもあるのです。チューバを床に置くときは、机やイスに接して置くなどして、簡単に倒れたりしないようにしておきましょう。音楽室でも本番の準備中でも要注意です!

音が鳴らないほど大きく凹んだ管

音が鳴らないほど大きく凹んだ管

イスを利用した置き方

イスを利用した置き方

一番重いB♭管(べーかん)のチューバは9キロ~10キロの重さがあります。ですから、細くて弱い抜差管のところを持ったりすると、楽器の重みに耐えられず、抜差管がゆがんでしまいます。楽器を持つときは、外側の太い管を持つか、一点に重みがかからないように広い範囲で持つようにしましょう。また、おじぎをする時や立つ時にはベルを持つことがありますが、そのようなときは、楽器をそっと下に置き、ベルの端をつままずに手の平全体でバランスを取るようにしてください。

この2枚の写真、どこが違うかわかりますか? そう、抜差管の向きが違うのです。このモデルの抜差管は表裏を替えても入るので、つい面白がって向きを変えてしまう人がいます。でも、そうすると後で大変なことが! ケースがちゃんと閉まらないなどと思いきり力を入れると、管がつぶれてしまうのです。抜差管は正しい向きで使いましょう。

正しい向きの抜差管

正しい向きの抜差管

間違った向きの抜差管

間違った向きの抜差管

※ 弊社製品の「YBB-201II」「YBB-321II」において、第3抜差管を誤った向きにしたままケースに収納した場合に、第3抜差管および周辺部分が破損することもございます。お取扱いには十分ご注意ください。

演奏していて音が変わるとき、たとえばスラーなどのかけやすさや、その音色などはピストンとロータリーで異なります。ピストン式はやわらかい演奏に適し、ロータリー式は音がはっきり区切られるような演奏に向いていると言われることもあります。