チューバのできるまで
ピカピカに磨き上げる

金属を美しく光らすために磨く方法もいろいろあります。ベルの内側と外側を機械で磨く、曲面をロボットアームでヤスリ掛けする、パーツをセットして大きく回しながら磨く自動研磨機など、機械化も進んでいます。また、昔からの熟練者が磨くバフ工程も重要な作業のひとつです。

大型の自動研磨機、モップを重ね合わせたような物で磨く

大型の自動研磨機、モップを重ね合わせたような物で磨く

磨く前、内側は熱処理などで酸化して茶色になっている

磨く前、内側は熱処理などで酸化して茶色になっている

一度磨いたベル、あと2回磨く

一度磨いたベル、あと2回磨く

バフ(布)で管体を磨くバフ研磨は、トランペットやホルンなど、あらゆる金管楽器でおこなわれる工程ですが、チューバのように大きな楽器のパーツや完成品をきれいに磨くには、特に高度な技術を必要とします。磨く機械はいくつもあり、回る部分の直径や硬さ、排気口の具合などが違っているので、磨きたい部分や程度によって機械を使い分けています。

さまざまな機械を、磨く部分によって使い分ける

さまざまな機械を、磨く部分によって使い分ける

スーザフォンの大きなベルを磨くようす

スーザフォンの大きなベルを磨くようす

管体を磨きあげる作業で、もうひとつ、バレル研磨を紹介しましょう。 バレルというのは樽のことですが、中にクルミの殻を細かく粒にした茶色い粉が入っていて、バレルがゆっくり回っている間、バサバサッと掛かって金属の表面を磨きます。クルミには脂分が含まれているので研磨に適しているのです。場合によっては、プラスチックの粒を使うこともあります。

バレル(樽)に楽器をセット中

バレル(樽)に楽器をセット中

内側の茶色い粉は研磨剤

内側の茶色い粉は研磨剤

閉じると大きな六角形

閉じると大きな六角形