チューバのしくみ
ボアサイズと音量は関係ない?

楽器全体に占める円筒部の割合が多いトランペットやトロンボーンは、ボアサイズ(管の内径)が大きいほど音が太く鳴ります。けれどもチューバでは、そうとはいい切れないのです。
チューバの場合、ボアサイズは抜差管の内径を指します。今、仮に同じ調で円すい管の長さも広がり方も同じ、トップアクション式とロータリー式のチューバがあったとしましょう。この2つの楽器を1人の奏者が吹き比べたなら、ほぼ同程度の太さの音が出ると予想できます。
この2つのチューバ、管を伸ばしてみると、図のようになります。トップアクション式のバルブは、ロータリー式のバルブよりも、吹込管に近いところ、つまり円すい管のより細い位置に付けられることになるのです。したがって、抜差管の内径、すなわちボアサイズも小さくなります。設計上バルブの位置をどこに置くかで抜差管の位置が変わり、ボアサイズが変わってしまうわけです。つまりチューバでは、ボアサイズが大きいほど音が太いとはいえない楽器なのです。

バルブの位置とボアサイズの概念図

バルブの位置とボアサイズの概念図