マリンバのしくみ
[実験3]共鳴パイプの素材を替えてみる

共鳴パイプの素材は金属。ほかの素材に替えると、音はどう変わるのでしょうか。いろいろな素材で実験してみました。

実験の手順

  1. 紙、段ボール、ポリプロピレン、梱包材、ゴム、アルミ板を用意する。
  2. それぞれ長さ300ミリ直径65ミリの管をつくり、底も付ける。
  3. マリンバの共鳴パイプを外し、管を手で持って音板に近づける。
  4. 音板をマレットでたたいて音を聴く。

実験の結果

紙の場合

紙の場合

段ボールの場合

段ボールの場合

段ボールの一番共鳴した音板の音(シ)

段ボールの場合

ポリプロピレンの場合

ポリプロピレンの場合

ポリプロピレンの一番共鳴した音板の音(ファ)

ポリプロピレンの場合

梱包材の場合

梱包材の場合

ゴムの場合

ゴムの場合

ゴムの一番共鳴した音板の音(シ)

ゴムの場合

アルミ板の場合

アルミ板の場合

※ 実験による録音のため正しい音程と異なっております。

この実験では、まずラの音板の下にいろいろな素材でつくった管を手で持って近づけ、音板をマレットでたたいて音の響きを聴き比べました。紙や段ボールの場合は底が響くこともほとんどありませんでした。ポリプロピレンでは響きがマイルドになりました。梱包材は音を吸収しているようで、管がない状態の方が鳴っている感じ。ゴムはほとんど変化なし。アルミ板はポワーンポワーンと、たいへん派手な音がして、まるで別の楽器のようでした。
今回の実験では、素材という点においては、アルミ板がもっとも理想に近かったわけですが、それでも、底の部分をはじめ、いろいろなところでノイズが鳴っていました。この実験では、管の共鳴というよりも、底の共鳴の影響が大きいようで、底の接着の状態や強度によってかなり音が変わっていると考えられます。

ラにこだわらず、いちばん共鳴する音板を探したところ、素材によって、もっともよく共鳴する音板がちがいました。段ボールとゴムはシ、ポリプロピレンはファでした。同じ長さの管なのに、なぜこのようなことが起こるのでしょう?
マレットで音板をたたいたとき、空気の圧縮と膨張が管の内側を伝わって、管が振動するのですが、空気が圧縮する時に管は少しだけ膨らみます。その際、素材の強度が強いほど変形が抑えられ、より高い音のほうで合う傾向があるのです。段ボールやゴムは、比較的強度があるため、ラより高いシのほうが共鳴したのではないかと推測できます。