マリンバのできるまで
仕上げは音のチェック

最後は音のチェックです。マリンバのピッチ(音の高さ)は音板で固定されていて、動かすことができません。各弦の音を奏者が調整できる弦楽器などとはちがうわけです。そのため重奏や合奏などの際にはマリンバがピッチの基準になります。それだけに精度が求められるわけです。組み立てられたマリンバのピッチが正しいかどうかは、専任のスタッフが厳しくチェックします。

ピッチが正しく調律されていたならば、次は音量の調整をします。写真のマリンバの場合、低音域の各共鳴パイプに移動底があり、それを動かすことで音量が調整できます。音板の音を聞きながら位置を微妙に合わせていくのですが、微妙に動かすことで音の響きが変わり、ちょうどよい位置にするとボリュームが最大になります。
作業を行う部屋の温度は23℃に設定してあり、楽器を2時間以上置いてなじませてから、いちばん音が響くように調整しています。コンサートの時などは、室温によって移動底の位置を変え、音の響きを調整することもできるのです。

位置を微妙に動かす

位置を微妙に動かす

音板をたたく音を聞きながら移動底を調整

音板をたたく音を聞きながら移動底を調整