マリンバのできるまで
塗装と組み立て

調律を完了した音板には、すぐに塗装をかけます。家具の塗装とちがい、なるべく木目をつぶさないように塗膜を薄くします。木が呼吸できるようにすると徐々に枯れていって、弾かれていくうちにどんどん鳴るようになるのです。1人の奏者が同じたたき方で演奏しつづけるのが理想的で、その場合、何年も弾くうちに音色は少しずつ変わり、その人らしい音になっていきます。

塗装では色合わせにも気を配ります。ローズウッドの素材には色が濃いのや薄いのがありますので、完成した時に色がそろうように塗装で調整しています。つまり、すべての音板を同じように塗装するわけではないのです。裏側は着色をしないので、そこを見ると、もとの木の色の差がわかります。

音板の幅に合わせて枠に音板吊り金を付けたり、金具の取り付けをしていきます。
音板を支える枠には、ヨーロッパ産のブナの無垢材を用います。 枠自体も振動するので、木のほうが音によいのです。

枠の組み立て作業中

枠の組み立て作業中

コンサートマリンバの枠は2つに折れる構造になっています。というのもマリンバは、あちこちのステージで演奏するためには会場へ持ち込むことが前提になっている楽器なので、音板の載る枠は折りたため、共鳴パイプも分割して取り外せるようになっているのです。音板もくるくるっと外せ、楽器全体がコンパクトにまとめられる仕組みです。

音板は手前と奥の列でそれぞれつながり、簡単に外せる

音板は手前と奥の列でそれぞれつながり、簡単に外せる