アコースティックギターの選び方
こんなギターもある

ギターの弦の数は、6本でなければならないというわけではありません。アコースティックギターの場合、12弦のギターもあるのです。12弦ギターの特徴は、倍音がとても豊かなこと。カントリーやブルーグラスなどアメリカの民俗音楽に合い、ストロークで優しい雰囲気が出せるのです。
弦は6コースに2本ずつで12本。6弦ギターで言う第3弦から第6弦の横にそれぞれ1オクターブ高い弦が付いていて、第1弦と第2弦の所は全く同じ弦が2本並んだ複弦(ユニゾン)になっています。弾き方は、6弦ギターと同じ指使いで、2本ずつ押さえればOKです。

12弦ギター

12弦ギター

ストローク

ホテル・カリフォルニア

6弦ギター

6弦ギター

ストローク

ホテル・カリフォルニア

2つのギターが合体したようなダブルネックギターのよさは、楽器を持ち替える時間がないような曲の場合でも、スムーズに別の楽器に切り替えて演奏できること。エレキとベースの組合せや、ナイロン弦のクラシックギターと鉄弦のアコースティックギター、ギターとマンドリンなど、ミュージシャンの要望に合わせて、さまざまなダブルネックギターがつくられています。

ギターの音量を大きくして大勢の人に聴かせたい時に、電気の力を借りられるのがエレクトリックアコースティックギター。弦の振動をコンデンサーマイクやピエゾピックアップで電気信号に変換し、コードでつなげたアンプという装置で増幅させて大きな音にしています。
もちろん、電源につながない時は、普通のギターとして演奏できます。
コンデンサーマイクは、高音まで音をくっきりと拾うことのできるマイクです。ボディ内の音を拾うようにマイクを向けてセットされているわけですが、そのためいわゆるハウリングを起しやすくなります。
ピエゾピックアップは、楽器自身の振動を電気信号に変換する装置のことで、見た目には細くて薄いシートフィルムのようです。通常はサドルの下に設置することが多く、ハウリングを起しにくい構造なのですが、マイクに比べていくぶんクセのある硬い音色になりがちです。
ヤマハでは、ピエゾピックアップをサドル部分に一体化させて、より原音に忠実なニュアンスを再現したものや、スタジオ録音のような音の「鳴り」をコントロールする機構を組み込んだりしたものもあり、よりよい音を届けられるように工夫しています。

ボリュームや音のバランスを調整

ボリュームや音のバランスを調整

薄いシートがピエゾピックアップ

薄いシートがピエゾピックアップ

内側にコンデンサーマイク

内側にコンデンサーマイク

ギターは、左手で弦を押さえ、右手で弦をはじいて演奏するようにつくられている楽器です。しかしこれは、確かに右利きの人に有利な構造かもしれません。
左利きの人のなかには、普通につくられたギターを逆に構えて弾きこなしている人もいます。弦の押さえ方が上下逆になる訳で、それはそれですごいことですが、じつは左利きの人用につくられたギターもあるのです。どこが違うのかというと、まずピックガードの位置が逆、弦の支点になるサドルの傾き方も逆。そして内側のブレイシングも左右が逆になっていて、うまく音が共鳴するようになっているのです。

左利き用はピックガードもサドルも逆

左利き用はピックガードもサドルも逆

表板の裏面のブレイシングも逆

表板の裏面のブレイシングも逆