アコースティックギターのしくみ
響きを決めるポイント

ギターは弦の振動をボディで共鳴させる楽器です。その響きを左右する大切なポイントはたくさんあって、極論すれば、すべてのパーツが音にかかわっているともいえます。なかでも特に重要な点としては、サウンドホールの面積とボディの容積の関係、表板の材質、ブレイシングなどが挙げられます。

例えば、同じ形で厚みを厚くすればボディの容積は増えます。また、同じ厚みで形を小さくすれば容積は減ります。ボディの容積は振動して共鳴する内部の空気の量ですから、容積が変わると音量や音色にも影響があるわけです。

表板の裏面には響棒(きょうぼう)と呼ばれる木材が貼ってあります。響棒の貼り方はメーカーや楽器によってもいろいろで、その響棒配置のことをブレイシングといいます。
ブレイシングの役割は2つ。1つは弦の張力に耐えるための充分な強度をもたらすため。鉄弦に引っ張られて、ネックが反ったり、ボディの一部が上がったりしないように表板を強化するわけです。2つには音色のため。求める音のイメージを実現するために、高さ(横から見ると中央部が盛り上がった形になっています)や配置を考えます。響棒が高くなると音が硬くなり、低くなると柔らかくなるのです。全部の音域で深みのある弾き方ができるようにとか、ストロークが歯切れ良くサクサク弾けるようにとか、ブレイシングによって音の雰囲気が変えられるのです。

表板裏面のブレイシングの例

表板裏面のブレイシングの例