アコースティックギターの成り立ち
アコースティックギターの移り変わり

写真のギターは、約50年前、つまりアコースティックギターができるよりも以前に、"ダイナミックギター"という名前でヤマハから売り出されたものです。クラシックギターに鉄弦、すなわちスチール弦を張ってあります。クラシックギターには、古くは羊の腸でつくったガット弦を、そして現代ではナイロン弦を張りますが、それを鉄弦に変えたのです。弦の巻き方はクラシックギターと同じ、糸倉式です。
ダイナミックギターの特徴は、ナイロン弦を鉄弦に替えることで、より大きな音量が出せるようになったこと。その後、さらに音量を出すために、ボディの形や厚みも変えて、アコースティックギターの完成につながったわけです。

約50年前に開発したダイナミックギター

約50年前に開発したダイナミックギター

写真の2つのボディを見てください。右が1966年に国産ギターとして初めてつくったアコースティックギターで、左が現在のものです。昔のほうが薄く、今は厚くなっています。ボディが薄いと歯切れのよい音がして、それはそれでよいのですが、今は小さくてもより豊かな音が求められていて厚くなる傾向にあるのです。

左が現在の、右が40年余り前のアコースティックギター

左が現在の、右が40年余り前のアコースティックギター