アコースティックギターのしくみ
[実験3]サドルとナットの素材替え実験

ギターの弦はサドルとナットで支えられています。この2つのパーツの素材には、かつては象牙が使われていましたが、今は動物の骨や硬化プラスチック、真ちゅうなどが用いられます。これを紙やゴムに替えるとどうなるでしょう?

実験の手順

  1. ギターからサドルとナットを外す。
  2. 木、何層も張り合わせた紙、ゴムを同じ形に削る。
  3. 2.を順にギターにはめて弦の音を調整し、弾いてみる。

実験の結果

通常の場合

通常の場合

木の場合

木の場合

紙の場合

紙の場合

ゴムの場合

ゴムの場合

※ 実験による録音のため正しい音程と異なっております。

実験で使ったギターの、もとのサドルとナットは牛の骨製です。それを木に替えたところ、少しこもった、温かみのある音になりました。しかし、木は骨に比べるとずっと柔らかいので、鉄弦が少しめりこみました。ボード紙を何層もボンドで張り合わせた硬い紙の場合は、音がさらにこもって、パラパラとした寂しい音色に変わってしまいました。紙のナットに弦がめりこみ、特に第3弦は第2弦側に引っ張られて位置がずれ、演奏には厳しい状態でした。最後に試したゴムの場合、チューニングをしている間にどんどん弦がめりこんでしまい、チューニングも不可能。弦が下がっていくと、ネックに並んだフレットに当たってしまい、まともに音を出すこともできません。サドルとネックの素材は、鉄弦に耐えられる硬さで、音を伝えやすいものでなくてはならないことが、確認できました。