エレキギターの成り立ち
エレキギターの仲間

エレキギターには、大きく分けて、フルアコースティックギター(以下、フルアコ)、セミアコースティックギター(同、セミアコ)、ソリッドギター(同、ソリッド)の3タイプがあります。音色もちがいますし、ボディの厚みもかなり差があるのです。

フルアコは屋外や大ホールでも充分な音量が出せるように、生ギターにピックアップを付けたギターです。ボディの中は空洞なので、かなり胴鳴りもします。エレキギターの中でもっとも歴史が古く、生まれたのは1930年代。ジャズやブルースでも出番が多い楽器です。

響室を持ち、バイオリンのようなf字ホールもある"フルアコ"

響室を持ち、バイオリンのようなf字ホールもある"フルアコ"

アンプについないだ時の音

フルアコの生の音

フルアコよりボディが薄いのが、セミアコ。海外ではセミホロウと呼ばれるのが一般的です。ボディの中央部分は木が詰まっていて、左右は空洞になっています。音色はフルアコとソリッドの中間です。

セミアコースティック・ギター

セミアコースティック・ギター

セミアコースティック・ギター断面図

セミアコースティック・ギター断面図

アンプについないだ時の音

セミアコの生の音

一枚板もしくは何種類かの板を接合し、空洞のない、中身の詰まったボディになっているのがソリッド。単にエレキギターといえば、まず思い出されるのがこの楽器です。形はいろいろありますが、ここでは2つの例を紹介しておきましょう。
指板の付け根のところでボディがえぐれているのは、高い音のフレットまで押さえやすいようにするため。フレットの数は21~24。26まである楽器もあります。1つのフレットで半音ずつ音域が広がるのですが、高い音域になるとフレットの間隔が狭くなって押さえにくくなります。

糸巻きが左右で3対3のソリッド

糸巻きが左右で3対3のソリッド

糸巻きが片側に6個並んだソリッド

糸巻きが片側に6個並んだソリッド

ディストーションの演奏例

クリーン

エレキギターより音域が低く、曲の中で低音部を受け持ち、曲にリズム感を出す役割も担っているのがエレキベース。エレキギターの弦は通常6本ですが、エレキベースの弦は、基本的には4本。5弦や6弦のエレキベースもあります。エレキベースは、弦が太くて張力が大きい分、強い力で引っ張らなければならないのと、弦の振動を受け止めるのにボディの大きさが必要なので、ボディサイズがエレキギターより一回り大きくなります。また、弦を長く取るために、ネックもかなり長めです。並べてみると、大きさの違いがよくわかります。

左側がエレキギター、右側がエレキベース

左側がエレキギター、右側がエレキベース