エレキギターのお手入れ
困ったときの対処法

ロック式のトレモロが付いたギターでは、一度弦高をいじるとチューニングが合わなくなってしまうことがあります。これは、弦高を変えることによって、フローティング状態(弦とボディ裏のバネの張力でつりあっている状態)の張力のバランスが崩れてしまったと考えられます。 バランスが崩れると、6弦を合わせてもほかの弦を合わせていくうちに張力のバランスが変化し、チューニングしたはずの弦の音程も変わってしまいます。
このような場合は、まず6本の弦をおおまかに合わせ、そのあと張力の弱い1弦から順にチューニングしていけば、比較的合わせやすくなります。このとき、ほかの弦を少し低めにしておき、1弦を少し高めに合わせてから、それ以外の弦を合わせていくことがポイントです。一回でぴったり合わせるのは難しいので、1弦から6弦の順のチューニングを何回か繰り返す必要があるでしょう。
それでもうまくいかない場合は、ボディ裏のバネの調整が必要になるかもしれません。楽器店で調整してもらうことをおすすめします。

ロック式トレモロユニットは「アーミング」ともいいます。アーミングの付いたエレキギターの弦を取り替えると、アーミングが浮き上がりすぎてネックと弦の隙間が開いてしまうことがあります。
上の項でも書きましたが、ロック式トレモロはフローティング状態(弦とボディ裏のバネの張力でつりあっている状態)でセッティングされているので、弦を張り替えると元のつりあった状態に戻らなくなることがあります。
これを避けるには、2つの方法があります。

  1. 一度に全部の弦を外さずに1本ずつ外し、新しい弦を張ったらチューニングを大体合わせる、という作業を繰り返す。
  2. 全部の弦を外す場合、外す前にボディとブリッジの間に適当なもの(クロスを巻いたドライバーなど)をはさみ、ブリッジをつりあっている位置に固定しておく。

つりあいのバランスがくずれて極端に弦高が高くなってしまった場合は、いったん弦を緩めていき、ブリッジが適正な傾き(普通はボディと平行)にします。そのあとドライバーなど適当なものをボディとブリッジの間にはさみ、さらにもう少し弦を緩めていきます。そこから6本の弦の張力のバランスに注意しつつチューニングをしていきます。
ボディ裏のバネやブリッジを支えているボルトをいじってしまうと、この方法でも元のセッティングには戻りません。楽器店で調整してもらいましょう。