エレキギターの成り立ち
エレキギター(エレクトリックギター)誕生ストーリー

ギターは長い歴史を持つ楽器ですが、近代になって多くの楽器が改良を重ねられていくなかで、特に音量の面で、遅れを取っていました。
そうしたなか、ジャズギタリストのチャーリー・クリスチャン(1916~1942)は、1936年頃、バンドのなかでもギターソロを弾くことをこころざし、アコースティックギター(旧来の生ギター)のボディにピックアップを付けたギターを使い始めました。これがエレキギター(エレクトリックギター)の事始めといわれています。
(参考資料:「ギターおもしろ雑学事典」ヤマハミュージックメディア刊)

ボディにピックアップを付けただけの初期のエレキギターには、アンプで増幅された音に楽器が共振して"ハウリング"と呼ばれる耳障りな音を出しやすいという難点がありました。その欠点を解消するには、ギター本体の空洞をなくして、共鳴しにくくするのが賢明な方法。そこで生まれたのが、1枚の板からボディを削り出してつくるソリッドギターです。
1940年代初頭にはすでにソリッドギターのアイデアがあり、少しずつつくられ始められていましたが、それを初めて商品化したのが、ギターやアンプの製作家だったレオ・フェンダー。彼が1949年に発表したフェンダーエスクワイヤーが、第1号のソリッドギターとされています。
(参考資料:「ギターおもしろ雑学事典」ヤマハミュージックメディア刊)

1950年代に新しい発想の楽器が次々と登場し、1960年にはほぼ完成されたといえるエレキギター。その後、ボディに木を使わずプラスチックやグラスファイバーを用いたり、ヘッドのないギターが発表されたりしましたが、そうしたアイデアは、いずれも広く支持されるには至りませんでした。
もちろん現代の楽器は、ノイズを少なくし、弦のピッチを合いやすくし、塗装を美しく長持ちさせるなど、さまざまな改良がなされています。けれども21世紀のテクノロジーをもってすれば、音色のコントロールにタッチセンサーを導入するなど、まだまだ弾きやすくすることができるはず。ただ、そういった方法がプレイヤーに受け入れられるかどうかはわかりません。エレキギターがこれから進む道は、この楽器を演奏する人たちが何を求めるかに懸かっているのですから。