エレキギターのマメ知識
酒場で生まれた? スライドギター奏法
ロックやブルースなどでしばしば耳にするスライドギター。フレットを指で押さえる代わりにバーを弦の上で滑らせて弾くこの奏法は、もとはといえばブルースのうねるようなフィーリングを、なんとかギターで出そうとして生まれたといわれています。別名ボトルネック奏法などとも呼ばれますが、それはウイスキーなどのボトルの先を切り、それを指にはめて演奏したことに由来しています。もしかしたら最初のスライドギターは、「おい、この瓶でギター弾いてみろよ!」なんていう、酒場でのちょっとした冗談から始まったのかもしれません。 市販のスライドバーは、滑らかでマイルドな音がするガラス製のものと、より音量が大きくソリッドな音がする金属製のものが一般的です。けれどもバーは、必ずしも既製品でなくても構いません。スライドの名手といわれるギタリストも風邪薬の瓶(デュアン・オールマン)やソケットレンチのバーなどの工具類(ローウェル・ジョージ)を使って名演を残していますし、古いブルースギタリストの中には牛の骨や、折り畳みナイフ、金属製ライターで弾いていた人もいたとか。あなたも、身の回りのもので試してみませんか? 意外なモノがいい音を出してくれるかもしれませんよ。
