エレキギターのマメ知識
カラオケだったら大迷惑?! エレキギターのフィードバック奏法

カラオケでマイクの音量を上げすぎた時などに出る「ピーッ」というイヤな音。あれは、スピーカーから出た音をマイクが拾い、それが大きくなってスピーカーから出て、それをまたマイクが拾い…という無限ループで起こるハウリングという状態です。ロックギターではこれが効果的な演奏手段として取り入れられています。 エレキギターには弦の振動をとらえるピックアップが付いていて、その音をアンプで大きくしてスピーカーを鳴らします。スピーカーから出る音の正体は空気の振動なのですが、ここで、スピーカーとギターの距離が近かったり、音量があまりに大きかったりすると、空気の振動が弦を振動させ、それを再びマイクが拾って…という無限ループが始まります。カラオケマイクのハウリングと似た状態ですが、エレキギターの場合、結果として弦の音が延々といつまでも伸びることになります。これがフィードバック奏法です。 フィードバックは、当初、ギタリストにとっても迷惑な存在だったに違いありません。しかしこの状態をある程度コントロールすることができる、と気づいたギタリストが積極的に利用し始め、奏法として定着していきました。なおフィードバックは、スピーカーの特性から、スピーカーの正面では高い音、横では低い音が効果を出しやすくなります。ステージでギタリストが立ち位置を変えたり楽器の向きを変えたりしているのはそのためでもあるのです。 カラオケでは大迷惑なハウリングを演奏方法として取り入れてしまうなんて、ロックの世界は本当に面白いですね。

カラオケだったら大迷惑?! エレキギターのフィードバック奏法