ファゴットのマメ知識
ファゴットの名曲―協奏曲編

いうまでもなく、時代を問わず、もっとも有名なファゴット協奏曲です。作曲者が18歳の時、1774年に作曲されました。高音域でのカンタービレと華やかなパッセージ、低音域の効果的な用法など、18世紀のファゴットの特徴をいかんなく発揮した名曲です。古典派の時代には数多くのファゴット協奏曲が書かれましたが、この作品ほど優れたものは存在しません。

この作品は1811年に、ミュンヘン宮廷楽団のファゴット奏者、ブラントのために作曲されました。やはり、カンタービレと名人芸を遺憾なく発揮させる名作です。オペラ作曲家らしく、第2楽章ではまるでオペラのレチタティーヴォのような部分があることも特徴的です。ウェーバーはもうひとつのファゴット協奏曲を構想しましたが、第1楽章に着手する前に作曲を止め、2つの楽章をまとめた「アンダンテとハンガリー風ロンド」を1813年に発表しています。

カール・マリア・フォン・ウェーバー

カール・マリア・フォン・ウェーバー