ファゴットの吹き方
どんなふうに演奏するの?

ほかの管楽器では、親指は楽器を支えるために使うことが多いのですが、ファゴットは指10本全部を使う、めずらしい管楽器です。特に親指の活躍はめざましく、左手の親指で操作するキイは10個もあります。
どんな風にキイを扱うのか、映像で見てみましょう。

10個のキイを左手親指で扱う

同じ高さの音を、違う指使いで出すことがファゴットにはよくあります。指使いを替えることで、同じ音でも音色が優しくなったり、ピアニッシモの小さな音が出せたりするのです。そのため、指使いを探していくのもファゴット奏者の楽しみのひとつになっています。先生や先輩から、秘伝の替え指を伝授されるといったこともあるようです。
指使いを替えた「ミ♭」の5種類の音と、「ファ♯」の3種類の音を聴いてみてください。

ミ♭の替え指の例

ミ♭の替え指の例

ファ#の替え指の例

ファ#の替え指の例

ファゴットは1オクターブ上、2オクターブ上に音を上げることが得意な楽器です。弾むようなスタカートの音を聴いてみましょう。

ト音記号、へ音記号はめずらしくありませんが、ハ音記号となるとめったに読まない、もしくは読んだことがないという人が多いかもしれません。ト音記号の書き始めが「ト」つまり「ソ」の音で、ヘ音記号が「へ」=「ファ」の音であるように、ハ音記号は中央の尖った所が「ハ」=「ド」の音を表す音部記号です。音域が3オクターブ以上もあるファゴットの場合、普通はヘ音記号で書いてある楽譜も、高音になると横線が増えて読みにくくなるため、ハ音記号に切り替わります。ハ音記号は、五線譜上の位置によって、アルト記号、テノール記号とも呼ばれます。同じ「ド・ソ・高いド」の音を4つの音部記号で書くと図のようになります。

同じ音を4つの音楽記号で表した例

同じ音を4つの音楽記号で表した例