ファゴットの成り立ち
ファゴットの仲間

キイの少ないバロック時代のファゴットを基に、昔ながらの音を残している楽器、バッソン。19世紀まではドイツ式のファゴットと並び立って、木管の低音楽器の主流だった楽器です。音程が取りにくく音量も小さいという難点はありますが、柔らかい独特の音色で表現力が豊かなので、現在もフランスを中心に愛好されています。
ラヴェル、ドビュッシー、サン=サーンス、ベルリオーズなどの作曲家はバッソンが活躍する美しい曲を書いています。

バッソン

表現力が豊かなバッソン、現在ではフレンチバッソンとも呼ばれる。

ファゴットの仲間には、バッソンのほかに、ファゴットより1オクターブ音域が低いコントラファゴットもあります。それらの楽器の音を少しずつ聴いてみましょう。ファゴットはベートーヴェンの「交響曲第9番」から「喜びの歌」を、高音、中音、低音の3パターンで、バッソンはドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」から、コントラファゴットはシューベルトの「ます」からです。

ファゴット

ファゴット

バッソン

バッソン

コントラファゴット

コントラファゴット
ファゴット音域表

バッソンには、ファゴットに比べて管の内径が小さいので、大きな音が出しにくいという面があります。そのため、音が出やすくなるように、発音体となるリードが大きくなっているのです。

左からコントラファゴット、バッソン、ファゴットのリード

左からコントラファゴット、バッソン、ファゴットのリード