フルートのしくみ
[実験]頭部管のコルクを別の素材に変えてみる

フルートの頭部管には天然コルクが入っていて、音の響きに影響があるとのこと。では、コルクの代わりに他の物を入れたらどうなるでしょう?

実験の手順

  1. 頭部管だけで吹く。
  2. ヘッドスクリューを外して吹く。
  3. コルク部分を発泡ポリエチレンに代えて吹く。
  4. コルク部分を脱脂綿に代えて吹く。
  5. 管に何も詰めずに吹く。
頭部管

実験の結果

頭部管だけで吹いた場合

頭部管だけで吹いた場合

ヘッドスクリューを外した場合

ヘッドスクリューを外した場合

発泡ポリエチレンを詰めた場合

発泡ポリエチレンを詰めた場合

脱脂綿を詰めた場合

脱脂綿を詰めた場合

頭部管体のみの場合

頭部管体のみの場合

※ 実験による録音のため正しい音程と異なっております。

中身が見やすいように、実験ではアクリルのフルートを使いました。頭部管からヘッドスクリューのみ外して吹いたときの音が、上図の「ヘッドスクリューを外した場合」。微妙に音が変わっていますね。そして、ネジがはまったコルクを外し、代わりに発泡ポリエチレンを入れて吹いたのが上図の「発泡ポリエチレンを詰めた場合」。中身がなく軽い吹き心地で、響きが足りなくて鳴っているだけの印象です。次に脱脂綿を詰めてみたら、音量が小さく、息が抜けているのがよく分かりました。
頭部管体のみで吹いたときには、詰め物が何もないためか、右からだけではなく左からも音が出ました。音の高さも全体に少し上がりました 。
実際のフルート内では、ヘッドスクリューと反射板でコルクを両側から押さえて、コルクの硬さを微妙に調整しています。コルクの硬さは音色に影響しているのです。