フルートのお手入れ
反射板をチェック!

フルートの内部の唄口に近い部分に「反射板」という金属の板が入っています。管楽器の音程は管の長さによって決まりますが、フルートの場合、演奏時に指でふさいだ穴の位置から、この反射板の位置までの長さが管の長さになります。ですから反射板は音程にとても影響のある重要なパーツなのです。

頭部管から、反射板とヘッドスクリューを外したところ。反射板(左端)とヘッドスクリュー(右端)の間にはコルクが挟まれている。

頭部管から、反射板とヘッドスクリューを外したところ。
反射板(左端)とヘッドスクリュー(右端)の間にはコルクが挟まれている。

反射板とフタはネジでつながっている

反射板とフタはネジでつながっている

ところがこの反射板、フルートの頭部管の上端にある「ヘッドスクリュー」がゆるんできたのを締めようとして押してしまったり、お手入れの時にクリーニングロッドで押してしまったりなど、ちょっとしたことでずれてしまうことがあります。反射板の位置がずれてしまうと、音のバランスが崩れ、正しい音程で演奏できなくなってしまいます。逆に言うと、最近どうも音程がとりにくいと思ったら、反射板のずれを疑ってみてください。

反射板が正しい位置にあるかどうかを確認するには、フルート本体付属のクリーニングロッドを頭部管に差し込み、クリーニングロッドについている線が唄口の中央に合っているかどうかを見ればすぐに分かります。ちなみにフルートの場合、反射板から唄口の中央までが17mmになっていればOKです。ピッコロ、アルトフルート、バスフルートではそれぞれ7.5mm、26mm、40mmが基準値です。

ロッドの線で反射板の位置を確認

ロッドの線で反射板の位置を確認

クリーニングロッドを差し込み、ロッドの線で反射板の位置を確認。唄口の真ん中に線があれば、正しい位置です。

クリーニングロッドの正しい差込

クリーニングロッドで確認してみて、線が主管の方、つまりキイのある方にずれていたら、ヘッドスクリューをゆるめ、クリーニングロッドの先端にガーゼを巻いて正しい位置まで反射板を押します。反対に線がヘッドスクリュー側へずれていたら、やはりまずヘッドキャップをゆるめ、正しい位置まで反射板を押してから、ヘッドキャップを締めます。その際、コルクが消耗しているようでしたら、コルクを交換してください。交換は近くの専門店へ依頼するとよいでしょう。コルクは音質に影響しますし、比較的消耗しやすいので、ときどき確認する習慣をつけましょう。