フルートのマメ知識
フルートは美しいニンフの変身した姿?

フルートのルーツといえば葦の笛。私たちが子どものころ草の茎を折り取って、「ピー」と鳴らして遊んだ草笛と同じ原理です。ギリシャ神話によればこの葦笛を初めて吹いたのは、パンという半獣神。パンはシュリンクス(葦)という美しいニンフを追いかけて抱擁しようとしたところ、パンを嫌ったシュリンクスは河の神に祈って、自身を可憐な葦に変えてもらいました。そこで、パンは変身したニンフを偲び、一生葦の笛を吹いては心を慰めたといわれています。
一方、別のギリシャ神話ではフルートの発明者は女神アテネ。ところが、アテネはフルートを力いっぱい吹くと、顔がひきつって自分の美貌が台無しになると言って、せっかく自分のつくったフルートを捨ててしまったとか。あなたはどちらの神話を思い浮かべながら、フルートを吹いてみたいですか?
(参考資料:赤井逸著「笛ものがたり」1987年、音楽之友社)

葦笛を吹くパン

葦笛を吹くパン